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最近では石鹸を手作りするのが流行っています。自分に合ったものを作るのはとても素敵なことですが、石鹸を手作りしようと思ったら原料に苛性ソーダが必要です。苛性ソーダは、誰もが簡単に取り扱える薬品ではないのです。

苛性ソーダとは、強アルカリ性の医薬用外劇物で、購入するときには身分を明かすなど、ちょっとハードルの高いものなのかもしれません。そんな苛性ソーダについて今回は詳しくご紹介しましょう。

手作り石鹸と苛性ソーダの関係

苛性ソーダは、手作り石鹸には欠かせないとても重要な原料です。固形の石鹸は、油脂と苛性ソーダの化学反応によって作られています。

役割

・オイルと混ぜることで鹸化させることができる

苛性ソーダは、オイルと混ぜることで鹸化させる役割があります。そのとき、長時間混ぜなければいけませんが中身が飛び散らないように十分注意が必要です。

・化学反応で「脂肪酸ナトリウム」に変化(安全)

苛性ソーダは劇物ですが、オイルと混ぜることによって化学反応が起こり、それが終わると脂肪酸ナトリウムという物質に変化します。この脂肪酸ナトリウムは安全です。

また、作りたての石鹸は、アルカリ性が強いのですぐには使わないでください。

劇物でもあるので、使用量は守りましょう。

・カビ取り洗剤に使われる濃度の50倍

石鹸作りのときに使う苛性ソーダの濃度は極めて濃く、市販のカビ取り洗剤の50倍にもなります。苛性ソーダを家庭で扱うときは、十分な注意が必要です。

残留

完成したばかりの石鹸は、まだアルカリ性が強い状態にあるので注意が必要です。

・作り立ての石鹸はアルカリ性が強い

石鹸が完成したからと言って、気を抜かないようにしましょう。作り立ての石鹸はまだアルカリ性が強い状態です。

・乾燥・熟成させることでアルカリ性が低下していく

石鹸が完成してもまだアルカリ性が強いのですぐには使わないでください。乾燥・熟成させることで徐々にアルカリ性が低下していきます。

・十分な乾燥が必要

石鹸が完成し、十分に乾燥したと思ったらpH試験紙などでpHを計りpH9くらいなら弱アルカリ性ということなので、使用することができます。

苛性ソーダとは?

苛性ソーダとは、海水塩を電気分解することでできる強アルカリ性の医薬用外劇物です。化学名では、水酸化ナトリウム(NaOH)と呼ばれているものです。

劇物

苛性ソーダは、急性毒性物質・腐食性物質に分類され極めて危険な医薬用外劇物になります。アルカリ性が非常に高い物質とされていて、さまざまの物を瞬時に溶かしてしまいます。

1滴でも目にはいると失明のおそれ

苛性ソーダはたんぱく質を溶かす性質のため、誤って人体に付くなどするととても危険でただれたりやけどのようになったりします。

特に、目に入ってしまうと失明の危険があります。作業をする際には、直接触れることがないように必ず全身を保護してください。

入手方法

苛性ソーダを取り扱っているのは、処方箋を取り扱っている薬局のみになります。危険物取扱なので、薬剤師がいないところでは購入できません。

また、法律上購入時には、住所や氏名、使用用途の記載が必要で、印鑑(シャチハタ不可)も押さなければいけません。使用用途は、石鹸作りと記載すれば大丈夫です。取扱店によっては、本人確認書類の提出が必要な場合もあります。

苛性ソーダの取り扱いの注意点

苛性ソーダは、石鹸作りに欠かせない薬品ですが、毒・劇物取扱法や薬事法で劇物だと指定を受けている極めて危険な薬品です。そのため苛性ソーダは、取り扱い時や取り扱い後の処理に至るまで、大変注意をしなければいけない薬品なのです。

目や皮膚に付着しないようにする

苛性ソーダは、目や皮膚に付着すると大変なことになります。石鹸作りのときに扱う苛性ソーダ溶液の濃度は、約30%ですが、皮膚についたら激しく皮膚を侵し、腫れや発熱を起こします。

たとえ1滴でも目に入れば視力低下や失明してしまう可能性すらあるのです。

・ゴーグルやマスク、手袋、エプロン、長そで・長ズボンなど

苛性ソーダを取り扱うときは厳重装備が鉄則です。人体を守るために、ゴーグルやマスク、手袋、エプロン、長そで、長ズボンなどを必ず身に付けてください。それだけ危険な薬物だということです。もし、皮膚に付着したら、すぐに患部を大量の水で洗い流してください。眼に入った場合は、すぐに、流水で15分以上洗い流し、眼科で診察してもらいましょう。

吸入・経口しないようにする

マスクをしていても吸い込んだと思ったら、すぐに新鮮な空気の場所に移動し、鼻をかんでうがいをしてください。

もし、間違って飲み込んでししまったら、すぐに、水か卵白を混ぜた牛乳を飲んで病院へ行ってください。吐かせることは逆によくありません。それにより、胃壁を破ってしまうかもしれません。場合によっては、死亡するケースもあります。

溶かす・乾かすときは換気

苛性ソーダを溶かす・乾かすなどするときは、必ず換気扇を回すなど換気をしなければいけません。

水を注がない

苛性ソーダは、水に触れることにより溶けだし急に発熱します。もしも、水の量が少ないと突沸の可能性もありかなり危険です。

苛性ソーダの保管

苛性ソーダは、劇薬なので特に慎重な取り扱いが必要です。保管に関しても同じことが言えます。ガラス瓶での保存は厳禁で、プラスチックやゴム製の物を用いるのがいいでしょう。
また、毒劇法により、鍵のかかる金属製の保管庫に入れることが定められています。危険な薬品であることが分かるように保管の際は記載しておきましょう。

ジャムなどのガラス瓶に保存しない

保管のサイズに丁度いいからと思っても、ガラス瓶の保管は危険なのでやめてください。

発熱した苛性ソーダを冷やそうと思い、冷水に付けるなどすると瓶の外側が収縮してしまいます。

それにより、瓶の内側と外側のひずみが大きくなり、瓶が割れたり底面が抜けたりします。瓶が割れるなどしたときに中の苛性ソーダが飛び散ると、極めて危険な状態に陥ります。

プラスチックやゴムを用いる

保管に使う容器は、ポリエチレン容器などのプラスチックに入れて、空気が触れないようにゴムなどで止めておくのがいいでしょう。

金属を接触させない

苛性ソーダは、金属や酸に触れないようにしてください。金属を侵すだけでなく、その際に水素を発生させると爆発などの危険性が伴うので注意しましょう。

苛性ソーダの廃棄

苛性ソーダの廃棄についてですが、できるだけ使用分量をしっかりと計り捨てる部分がないようにするのがベストです。

油と混ぜて酸化させてから捨てる

一番おすすめの方法は、リーズナブルな油などを使って石鹸の状態にしてから破棄をするというのがいいでしょう。

油と混ぜることで、ある程度熟成させれば、問題のアルカリ度も落ちるので危険度がグーンと下がります。

紙などに包んでそのまま廃棄はNG

苛性ソーダは劇薬なので、いらない紙などに包んで捨てるなどももちろんできません。

片付けに使用した新聞紙などの廃棄にも注意

片付けるために吸わせた新聞紙なども、そのまま破棄はできません。間違った破棄の仕方をしてしまえば、法的にも人的にも最悪の事態になることも考えられます。

排水に流すのもNG

排水溝にそのまま流すのもよくありません。苛性ソーダ水溶液ですら、排水管や微生物浄化槽を破壊してしまう濃度なのです。

もし、間違って流してしまったら、流水をし続けて濃度を下げてください。

また、苛性ソーダは水生生物にとっても毒です。わからないだろうと変な気を起こして、川や池などの水辺に捨てたりしないでください。そんなことをしたら、川や池の生物が全滅するという事態になりかねません。環境破壊や人的被害に繋がらないように、取り扱いには十分注意しましょう!

酢での中和は難しく、扱いにくくなる

家庭で、苛性ソーダと酢の中和は難しいのでやめましょう。きちんと中和するには大量の酢が必要になります。

空き容器の廃棄にも注意(付着を除去)

空き容器の廃棄にも十分な注意が必要です。少しでも付着していないように慎重に取り扱いましょう。

手作り石鹸は苛性ソーダなしでも作れる

手作り石鹸が苛性ソーダなしでも作れてしまうなら、取り扱いに神経をとがらせなくてもいいので試してみたいですよね。灰を代用して石鹸を作ることができます。

灰を代用できる(昔ながらの作り方)

タンポポなどの根の強い雑草を集め燃やします。熱湯を注ぎ一晩おいてこします。完成した灰汁は、pH試験紙などで数値を確認しましょう。時間の経過とともにアルカリ度が下がるでしょう。

この灰汁とパーム油やココナッツ油を混ぜるなどしていけば、石鹸が作れます。

まとめ劇物のため十分な注意が必要!手作り石鹸と苛性ソーダについて●

苛性ソーダは、石鹸作りの原料なので欠かすことはできません。

しかし、苛性ソーダは、毒・劇物取扱法や薬事法で劇物だと指定される危険な薬品です。取り扱いは、極めて慎重にならなければいけないでしょう。

十分な安全性に配慮して、自らが注意することで、手作り石鹸を楽しむことができるでしょう。

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