閉じる

家に帰っても何となく休まらない、寝つきが悪い、集中できないなんてことがあれば、照明を変えてみるのもひとつの方法です。

それほど照明の色や向きによって部屋の雰囲気が変わります。部屋は休むところでもあり、寝るところでもあり、食べるところでもあり、勉強したり読書したりする大切な場所です。

体調が良くないなと思ったら、部屋に応じて照明の色や向きを変えてみるのもおすすめです。
照明の色や向きと、もたらされる効果とは密接な関係があります。

電球が切れたという時がチャンスです。照明の色や向きを変えてみてください。

空間デザインにおいての照明の色や向きと効果の関係をご紹介します。

照明の明るさと色

快適な空間づくりのためには、照明の光の明るさと光の色も関係してきます。

光は明るさと色で構成されている

光は自然光(朝日や夕日)と太陽光でも明るさと色が違います。その違いで、体の調子や感覚も違ってきます。照明も光と同じように、明るさと色の違いで快適度が違ってきます。

・明るさ(照度)の単位はルクス:1平方メートルあたりの明るさ

照度とは1平方メートルあたりの明るさをあらわしていて、電球から発せられる光の量のことです。単位はルクス(lx)。照度は1~2000ルクスぐらいまであって、オフィスは約750~1500ルクスで、かなり高い照度です。

・色(色温度)の単位はケルビン(K):人間が感じる光の色

色温度とは人間が感じる光の色をあらわす尺度で、単位はケルビン(K)です。色温度の単位が低いほど黄色やオレンジ色の暖色系の色になって、色温度の単位が高いほど青色の寒色系の色になります。色温度は1~7000ぐらいまであって、自然光の色温度は約2000Kで暖色、ろうそくの色温度と同じです。太陽光の色温度は約5000Kです。

<物の見え方や心理に影響を与える>

色温度は物の見え方や心理に影響を与えるもので、色温度が低い暖色系は落ち着きを与えてくれて、太陽光の色温度は活動的に、色温度が高い寒色系はクールにさせてくれます。色温度が高いと集中力が高まるので、勉強や仕事にやる気がでてきます。色温度と照度の関係では、色温度も照度も高い状態が快適な状態です。色温度はそのままに照度を下げていくと「陰気な雰囲気」に、色温度が低いままで照度が高くなっていくと「暑苦しい雰囲気」になります。

照明の色の種類

照明(電球や蛍光灯)には色の種類があります。色温度に合わせて暖色系からいうと、電球色、温白色、白色、昼白色、昼光色の5種類があります。
昼光色は色温度が低く青みがかった色になります。

蛍光灯の色は大きく分けて3種類

5種類の色のなかでも、蛍光灯として販売されている色は昼光色と電球色と昼白色の3種類です。

・昼光色

昼光色とは青みがかった最も明るい色です。色温度が高いので物がはっきり見えますが、時間が長いと目が疲れてくることもあります。オフィスなどには向きます。家では、読書や料理の際の手元を照らしたい場合には向きます。

・電球色

電球色とは暖色系でオレンジがかった色です。色温度が低いので暗めに感じられますが、落ち着くことができて目が疲れにくいです。オフィスの階段や廊下ははっきり見える昼光色が向きますが、家の階段や廊下は深夜の明かりとりの意味合いもあるので、電球色の方が落ち着くことができます。

・昼白色

昼白色とは太陽光に近く身近に感じられる色です。色温度が中間の色で、どの部屋にも合う色です。リビングなど長くいる場所や、食品がきれいにみえるのでキッチンやダイニングにも向きます。食べ物の自然な色を感じられて食欲を妨げない色です。

LED電球

LED電球は多様な色と光量を自在に変更できる機能を備えたものがあります。

・LED照明の発達で今までにない色ができた

LED照明の発達で今までにない色ができて、1962年の赤色LEDから始まって9種類のバリエーションが誕生しました。

・桜色、青色など

暖色系、昼白色系、赤系、青系、桜系(ピンク系)、緑系、オレンジ系、紫系、2色・3色の混合系です。混合系は青と黄色を混ぜて白色を作ったり、赤・緑・青の3色で他の色を作ったりします。

光をあてる対象物と照明効果

照明をさらに効果的にするためには、光を当てる対象物への光のあたり方の角度も大切です。
空間デザインの4大要素である形、素材、光、色が組み合わさって、光のあたり方が変わることで照明が効果的になります。

素材の色と調和する照明の色選び

天井や壁、床などの内装の素材の色と、照明の色温度の高さや低さとの調和によって照明の効果が変わってきます。木目やレンガ壁などの赤みの強い素材に、色温度の高い青みがかった照明の色をあてると白々しくなって安っぽい感じになりがちです。色温度の低い暖色系の方が落ち着いた感じになります。青や緑の内装の素材に、色温度の高い青みがかった光をあてるとクールで涼しい感じになりますが、高すぎると暗くなって病的な印象になってしまいます。

コンクリートやモルタルの素材の色はグレーです。この固いイメージのグレーに暖色系の電球色の光をあてると、暖かみが感じられるようになります。太陽光に一番近い昼白色の光をあてると、グレーのクールな感じが際だってきます。

スポットにするか、拡散させるかで変わるイメージ

スポットは局所照明で、照明をあてたいところだけを明るくします。ペンダントライトや足元灯、机のスタンドがあてはまります。強調するところと目立たなくなるところができて、光の変化や陰影が生まれて雰囲気づくりに役立ちます。

逆に、拡散させると全体が均一に明るくなります。シーリングライトやシャンデリアがあてはまります。明るいのはいい印象になりますが、慣れてくると単調になりがち。

全体照明を使って全体の明るさをキープしながら、ポイントポイントで局所照明を利用すると空間が立体的にみえてきます。全体照明と局所照明を併用する時は、照度も考えます。局所照明より全体照明の照度を低めにした方がバランスがとりやすいです。

素材の凸凹感が立体的に見える光の角度

素材の凸凹感に合わせて、光があたる向きを変えると印象が変わってきます。光をあてる角度は、影ができることで立体的にみせることがポイントになります。

素材の凸凹に正面から直接、光をあてても素材の良さが生かされません。

また、直接照明は光がまぶしく感じられます。斜めや上からなど角度を変えることで、陰影ができて立体的にみえるようになります。

天井・壁・床のどこに光をあてるかで変わる印象

天井や壁、床のどこを強調するかで、高級感やプライベート感、開放感や安らぎが違ってきます。例えば、床に直接、照明をあてるのではなく壁や天井にあてると、奥行きがでて部屋全体が明るく広く感じられるようになります。

逆に、床と壁に照明をあてて強調することで非日常感が生まれます。壁、床、天井それぞれ単独に直接、光をあてて強調すると、効果が違ってきます。壁を強調すると奥行きの広さを、天井を強調すると開放感を、床を強調すると高級感を演出できます。

また、天井・壁・床を同じトーンにすると、部屋全体が優しく柔らかい雰囲気になってきます。

物が自然に見える演色性

物に光があたった時の、物の見え方を演色性といいます。自然光を基準にして近いほど「良い」、離れたものほど「悪い」評価になります。

100が最良の数字で0~100までであらわされていて、単位は「Ra」です。

演色性の数値が高いほど、自分好みの内装に仕上げることができます。白熱灯や蛍光灯に演色性の高い製品があります。

まとめ照明の色や向きを変えると部屋が変わる!色や向きと効果の関係について

部屋づくりというと、家具の配置や色だけで決まると思いがちですが、照明の効果が大きいことがわかりましたね。

家具を変えるというとコストもかかって運搬や配置など大変になってきますが、それと比べると照明を変えるのは簡単で安価にすむことが多いです。

どうせなら、照明を変えて部屋の印象を自分好みの素敵な空間にしてみましょう。

そのために役立つ、照明についてのいろいろな知識をご紹介しました。難しくて面倒に思うこともあったかもしれませんが、どれも役に立つものです。

参考にして空間づくりを楽しんでください。

  • VMDは空間プロデュース!空間デザインにも役立つ基本のテクニック

    VMDは空間プロデュース!空間デザインにも役立つ基本のテクニック

    VMDという言葉を知っていますか。アパレル業界に就職したいなら、VMDの知識は最低限、必要といわれるぐらい、店づくり売り場づくりの基本になっている方法です。 VMDの基本のテクニ

  • 売れる色とは?カラーマーケティングについて解説します!

    売れる色とは?カラーマーケティングについて解説します!

    カラーマーケティングという職業を耳にしたことはあるけれど、具体的にどんな仕事をしているのかわから ないですよね。 カラーマーケティングに興味があるけれどどんな職業かもっと詳しく知

  • オフィスはエントランスのデザインで決まる!効果やパターンを知ろう

    オフィスはエントランスのデザインで決まる!効果やパターンを知ろう

    空間デザインのなかでも、オフィスデザインは社員への効果や来客へのアピールなどに直接、関わるものです。その分、デザインの良し悪しや効果が決め手になります。 とはいっても、デザインが

  • 知りたかった!オフィスの机を効果的に配置する方法について

    知りたかった!オフィスの机を効果的に配置する方法について

    昨今、業務の効率化においてオフィス内の各社員の机の配置は重要なポイントの1つであると言えます。 オフィスの机や配置には会社や部署、チーム等の業務、業種によって効果的な配置パターン

  • 空間デザインに役立つ間接照明のあれこれ【種類や効果、コツや注意点まで】

    空間デザインに役立つ間接照明のあれこれ【種類や効果、コツや注意点まで】

    間接照明というとシャレたお店やホテルの照明で、普通の部屋には無関係なんて思っていますか。 間接照明とは直接照明の対義語であって、オシャレな空間だけに向く特別な照明ではありません。

  • 照明の色や向きを変えると部屋が変わる!色や向きと効果について

    照明の色や向きを変えると部屋が変わる!色や向きと効果について

    家に帰っても何となく休まらない、寝つきが悪い、集中できないなんてことがあれば、照明を変えてみるのもひとつの方法です。 それほど照明の色や向きによって部屋の雰囲気が変わります。部屋