空間デザイナーの仕事は個人宅からオフィス、美術館などまで幅広く多岐にわたります。
それが魅力的でもある反面、どんな知識が必要になるのか検討がつかず、何から勉強すべきか分からない、という方も多いと思います。
そんな方におすすめなのは空間デザインに関連する資格の取得です。これなら勉強すべき内容を明確にできます。
ここでは、空間デザイナーに資格が必要なのか、というところからどんな関連資格があるのか、までをご説明します。
空間デザイナーとして仕事に従事するために、必須と定められている資格はありません。そのため、資格がないと空間デザイナーの職に就けないという訳ではないのです。専門学校や資格の学校に通わなければいけない、といった義務はないので、どなたでも志すことができます。
空間デザイナーとして仕事をするのに必須の資格はありませんが、関連性が強く、直結する資格はあります。ここでは具体的に2つの資格をご紹介します。
・空間プランナー
日本能力開発推進協会が実施している試験に合格すると取得できる資格です。インテリアに必要な基礎知識から、内容は室内環境の計画、関連法規などで、空間デザイナーとして仕事をするのに必要なものばかりです。しかし、受験するためには認定教育機関での教育履修が必須となります。そのため、取得するための敷居が比較的高いので、次に紹介する資格の取得の検討をおすすめします。
・空間ディスプレイデザイナー
日本デザインプランナー協会が実施している試験に合格すると取得できる資格です。簡単な方から難易度順に2級、1級があります。試験内容は、空間における陳列、色彩、ヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD)などですそのため、こちらの資格も取得の過程で、空間デザイナーとして仕事をするのに必要な知識を習得できます。
空間プランナーよりも空間ディスプレイデザイナーの資格取得をおすすめする理由は、3つあります。次のとおりです。
①受験資格は一切なし
資格試験を受けるために必須の受験資格はありません。そのため、認定教育機関での教育履修の必要もないので、美術大学や、美術の専門学校を卒業していない方でも資格取得に挑戦することが可能です。
②資格が2級と1級に分かれている親切設計
基礎編の2級と上級編の1級に資格が分かれているため、まずは気軽に基礎編の2級取得を目指すことから始められる点もおすすめの理由です。空間デザイナーに限らず、興味を持ち始めたばかりの段階で、難関の資格取得を目指すと躓いてしまいがちです。その点、空間ディスプレイデザイナーは、親切な設計になっているので心配ありません。
③在宅受験が可能
資格試験は受験会場まで足を運んで受験することが殆どですが、空間ディスプレイデザイナーは、インターネット環境さえあれば在宅での受験が可能です。
上記の資格取得に必要な知識は、空間デザイナーとして仕事に従事する上で必要となるものばかりです。そのため、資格取得のために勉強することが、自分の空間デザイナーとしてのスキルアップに繋がります。
資格を持っていることは一定の知識を有している、というクライアントからの信頼に繋がりやすく、仕事を得る機会も広がる可能性があります。
取得した資格は履歴書欄に記載することが可能です。そのため、空間デザイナー募集などの求人に応募する際にも、有利になる場合があります。
空間ディスプレイデザイナー資格など空間デザイナーの基礎を網羅している資格は、取得している方が比較的多いです。
しかし、下記に挙げる資格はより専門分野に特化した内容のため、取得者は少なめです。
難易度は高くなりますが、より興味のある分野での空間デザイナーとしてばりばり活躍したい、という方は是非取得を検討してください。
インテリア産業協会が年1回実施している資格試験です。受験資格は特段定められていないので、どなたでも挑戦可能です。
インテリアの歴史、配置計画、構造などインテリアに特化した内容になっています。
合格までには筆記の1次試験、プレゼンテーションと論文の2次試験を突破する必要があります。毎回、合格率は25%前後となっており難しい資格です。
空間デザイナーとしてインテリアを極めたい、という方は是非受験を検討してみてください。
混同されがちですが、別の資格です。どちらも色に焦点をあてた資格ですが、空間デザイナーを目指す方はどちらかといえばカラーコーディネーター検定がおすすめです。
・色彩検定
色彩検定協会が年2回実施している資格試験で、受験資格はありません。簡単な方から難易度順に3級、2級、1級があります。色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)など、色に特化した内容になっています。また、比較的ファッションについて役立つ内容となっていることが特徴です。合格率は3級だと高めの60%~70%となっており、挑戦しやすい資格となっています。
・カラーコーディネーター検定
東京商工会議所が年2回実施している資格試験で、受験資格はありません。色彩検定同様に簡単な方から難易度順に3級、2級、1級があります。色の基礎から、カラーコーディネーションという内容も色彩検定と似ていますが、比較的インテリアや物などについて役立つ内容が含まれていますので空間デザイナーを目指す方はこちらがおすすめです。
商業施設技術団体連合会が年2回実施している資格試験で、受験要件として実務経験が定められています。内容は店舗の企画、設計、管理、施工と商業施設関連を網羅した内容となっています。空間デザイナーなどとして実務経験を積んでいく中で商業施設に特化した職務がしたい、と思った時におすすめの資格です。また、合格率は40%~50%ほどです。
建築技術教育普及センターが年1回実施している資格試験で、この資格も受験要件として実務経験が定められています。
内容は建築計画、法規、施工に加えて設計製図と本格的なものになっています。
合格率も厳しく、20%程度という狭き門のため、空間デザイナーとして実務経験を積む中で更にステップアップを目指したい、となった時は是非挑戦を検討してみてください。
空間デザイナーになるために資格は必須ではありません。
しかし、資格の勉強を通して、知識が身につくだけでなく、仕事に繋がる可能性が高くなることは確実です。
関連する入門レベルの資格から応用レベルの資格までご紹介しましたが、まずは自分の興味のある資格の勉強から初め、空間デザイナーを目指してみるのはいかがでしょうか。
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