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VMDという言葉を知っていますか。アパレル業界に就職したいなら、VMDの知識は最低限、必要といわれるぐらい、店づくり売り場づくりの基本になっている方法です。

VMDの基本のテクニックを知っておくと、空間デザイン、空間プロデュースにも大いに役立つものです。

VMDのVはビジュアルのV、MDはマーチャンダイジングです。短くいえば「視覚的な商品計画」であるVMDとなります。高度なビジュアル化が進むいま、より良い店づくり売り場づくりのカギはビジュアルですね。

VMDの基本のテクニックを楽しみながらみていきましょう。

VMDとは

VMDを知っていると知らないとでは、店づくり売り場づくりが大きく違ってきます。空間デザインは店舗やショッピングモールなどの大規模な空間をプロデュースするものです。VMDは売り場という空間をいかに販売促進につなげていくか、という方法で、そこに使われるテクニックは空間デザインにも利用できるものです。
VMDとは何か、具体的にみていきましょう。

ビジュアルマーチャンダイジング

VMDは「ビジュアルマーチャンダイジング」の略です。マーチャンダイジングとは商品の売り方のテクニックで、ビジュアル化される前の企画、計画の段階のものです。それを具体的にビジュアル化するのがVMDです。

視覚に訴えかけて、購買意欲を上げるマーケティング手法

VMDは「視覚」に訴えるということが大きなポイントになります。販売計画、商品計画が視覚化される、それもより良くビジュアル化されて売り上げ増につながることがVMDの目的です。

MD(マーチャンダイジング)

ターゲットを絞って、商品開発から販売促進、予算の管理にいたるまでの一連の流れをMDといいます。

・商品の販売計画(企画と意図)

どの商品にも企画があって、意図を設定して開発されます。MDは企画の段階から始まります。

・適切な価格と数量、タイミングで提供すること

MDには5つの適正があって、それがすべて揃っていると、マーケティングはうまくいっていることになります。

1.適正な商品
2.適正な場所(陳列方法を含む)
3.適正な時期(タイミング)
4.適正な数量
5.適正な価格(販売戦略)

ある商品がターゲットの購買意欲に当てはまるものか、適切な場所で販売されているか、適切なタイミングか、適切な数量か、適切な価格で販売されているか、これを計画するのがMDです。これだけの適正(適切)が揃えば、その商品の販売計画はかなり優れていることになります。価格、数量、タイミングの3つは特に大切です。

VMD

MDでこしらえられた商品計画は、ビジュアル化されることではじめて現実化されます。MDのままなら現実に販売されない商品計画だけです。これでは計画倒れということになります。

・MDを視覚化(ビジュアル化)する

視覚化する、ということを具体的にいうと、お店づくりや売り場づくりをどのようにするか、ということになります。よりよいお店づくりや売り場づくりができれば販売促進につながりますし、即売り上げ増につながります。

・商品の魅力を視覚によって最大限にアピール

商品の魅力を視覚的に、とことんアピールすることがVMDです。そのためのテクニックを知って、その商品に応じて実際に役立てる(売り上げ増につながる)ことができればVMDの成功です。

・「見やすく」「選びやすく」「買いやすい」売り場を作る

よりよいお店づくり売り場づくりとは、「見やすく」「選びやすく」「買いやすい」、つまり客にとって魅力的な売り場づくりということです。

VMDとディスプレイ(DP)の違い

ここで、気になるのがVMDとディスプレイの違いですね。VMDは知らなくてもディスプレイは知っているという方が多いですよね。VMDは広義のビジュアル化された販売戦略で、そのなかに含まれる戦略の手段のひとつがディスプレイになります。

VMD=ディスプレイではない

VMDはディスプレイのように展示や装飾をすることではありません。商品の企画から販売戦略までの商品計画をいいます。

VMDの手段のひとつがディスプレイ

販売戦略のひとつのやり方がディスプレイになります。

ディスプレイ:陳列や装飾そのもののこと

ディスプレイはショーウインドーに陳列したり、装飾をすること。あくまでも商品が主体です。VMDは商品ではなく、商品を視覚的によりよく販売する、売り上げが目的のマーケティング手法です。

VMD:店舗やブランドの価値を視覚的に伝え、購入に結びつける仕組み

商品の魅力をいかに視覚的に伝えていくか、よりよく伝えていくか、それ実現できれば売り上げ増につながります。VMDは売り上げを上げるためには絶対、必要なマーケティングの手法です。

VMDに必要な要素

VMDに必要な要素をMP(マーチャンダイズプレゼンテーション)といって、商品を「見やすく」「選びやすく」「買いやすい」、そして魅力的に見せる技術のことです。

基本要素のことをMPという

MPの目的は「客の目線を自然に購買の方向に誘導する」ことで、そのための方法、テクニックがあります。

生物学・心理学に基づく理論

MPの理論は感覚的なものではなく、生物学や心理学に基づいたものです。売り場における色の視覚効果の誘目性や視認性、店内を歩く回遊性といった理論に基づいた方法です。

また、客の行動を示したAIDMA(注意→関心→欲求→記憶→行動)の法則というのもあります。

VMDを細分化して戦略を立てる

VMDといっても、マーケティング手法はブランドによってさまざまです。VMDの商品計画を細分化して要素ごとに戦略を立てることで、より良い売り場づくりができます。

MP

MPの方法には次の3つの要素があります。3つの要素を経て客を購買の方向へ導いていきます。

①VP(ビジュアル・プレゼンテーション)

お店の前や入り口近く、あるいはそばのエスカレーターの近くなどをディスプレイして、お店に気づいてもらって店内に誘導するテクニックです。

②PP(ポイント・オブ・パーチェス)

売りたい商品を魅力的にディスプレイすることです。VPでお店に誘導された客ができるだけお店に滞在してもらうためのテクニックです。

③IP(アイテム・プレゼンテーション)

客にとって見やすく、選びやすく、買いやすい陳列をすることです。客が手に取ってくれることが目的です。

VPで店内に入って、PPで店内をまわり、IP で手に商品を取って購買へ、というプロセスの方法になります。

VMDの基本

VMDの基本になる要素です。

VP(ビジュアル・プレゼンテーション)

・気づかせるテクニック

まずお店に気づいてもらうことが必要です。そのためにはわかりやすく、探しやすいことを目的にします。

・店舗や売り場に立ち寄る人を増やす

お店に誘導させるための戦略を考えます。

・ショウウインドウ、入り口近く、コンセプトでまとめたエリア

そのブランドの価値や目的がわかるディスプレイをお店の前面に配置します。

PP(ポイント・オブ・パーチェス)

・足を止めさせるテクニック

一番の売れ筋商品を魅力的な配置にして、足を止めてもらうことを目的にします。

・ディスプレイや陳列棚の前に立ち止まる人を増やす

陳列の仕方や視覚的効果など、さまざまなテクニックを利用します。

・柱まわりや壁面、目線に入りやすい位置にある棚

目線に入りやすい位置としてゴールデンスペースという場所があります。一般に60~130cmの、視線より下になる場所です。

IP(アイテム・プレゼンテーション)

・手にとらせるテクニック

PPで足を止めさせたら次は手に取らせることが目的です。

・客の購買意欲を湧かせ欲しい商品と出会える出会う確率を高める

色の並べ方や壁面の陳列方法、清潔な店舗にすることも購買意欲につながります。

・PPを見て、商品に関心をもったお客様が商品をすぐ手に取れる場所

手に取りやすい場所は、目線に入りやすい位置と同じでゴールデンスペースになります。目線より下で、販売員が実際にやってみるといいですね。

・棚やハンガーラック、ガラスケースなど、PPの近くにあるとより効果的

場所だけではなく、色味のあるものを一番上にもってくる、ハンガーラックのハンガー陳列にも明るい色をもってくるなど、色の効果を生かすと目立つのでより効果的です。ガラスケースはきれいに磨くことも必要ですね。

VP→PP→IP→購買というプロセスで、売り上げ増をねらうのが、VMD理論です。

まとめVMDは空間プロデュース!

空間デザインにも役立つ基本のテクニック

VMDは売り上げ増をめざすためのマーケティングの手法ですが、空間をどうデザインすれば客の意識を向けさせるか、という空間プロデュース、空間デザインにも参考になるものがあります。

VMD理論が少しでも理解できたら、店舗に行って売り場を見る時も今までとは違った目線でみることができるでしょう。

お店のショーウインドーから陳列の仕方、装飾の仕方まで空間デザインに生かせるテクニックが満載なはずです。

ますます空間デザインの範囲が広がって、楽しみも増えていきますね。

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