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建築模型の対象になるものは「形あるものすべて」ともいえます。個人の家や公共施設などの建物はもちろん、実際には家電製品や橋や土木建築関係に至るまで、依頼されれば模型を作るのが建築模型士です。

建築模型士は建築に関係がない模型は作らないと思いがちですが、例えば、建物の上に人間の姿のデザインがあれば、模型を作る時には当然、人間の模型も作らなければいけません。

それほど、目的別、用途別に建築模型にはさまざまな種類があります。

今後はCGやVRがさらに発達して、建築模型士に依頼される建築模型の需要は減っていくかもしれませんが、種類が多いことでなくなることはないでしょう。

建築模型をささえる、さまざまな種類をみていきましょう。

建築模型とは?

図面を見るだけではピンと来なくても、形になっていれば誰にでもわかりやすく完成される建築物のイメージがわきます。直してほしいところもチェックできて、よりよいものができあがるメリットもあります。そんな出来上がりの形を予想して形を作るのが建築模型です。
特徴としては次のようなことがあげられます。

家や施設のミニチュア模型のこと

建築模型士は、ほとんどの建築物の模型をこしらえることができます。最近は、個人宅の模型はそれほど多くはなく、マンションや公共施設などのミニチュア模型を作ることが多くなっています。

マンションの建築模型は、人に与えるイメージが決まって売り上げに直結することにもつながります。建築模型の重要性は、そんなところからもわかります。

建築図面に基づき1/50や1/100などに縮尺して製作される

建築図面を正確に読み取り、縮尺をどのくらいにすればイメージがわかりやすいか協議して決めます。縮尺の程度によっては出来上がりの良し悪しにもつながります。

簡易なものから精密で広範囲のものまである

最初のプレゼンテーションの段階の簡易なものから、最後の完成前の精密なものまで範囲に応じて種類もいろいろあります。

用途や範囲によってさまざまな種類がある

建築模型を作る目的や用途に応じて、また、作る範囲によってもさまざまな種類があります。

建築模型の分類

建築模型を何のために作るのか、作る目的別に分けると次のようになります。

プレゼンテーション模型

完成したらどういう感じになるのかをイメージしてもらうことが目的の建築模型です。

・建て主・オーナーへの説明、イメージをつかんでもらう

図面だけではわかりにくいことも、3次元の模型を見ながら説明を聞くとイメージしやすくなります。建て主・オーナーに理解してもらうための最初の模型です。

・住宅、店舗、公共施設・商業施設、橋梁など

住宅や店舗などのこじんまりした建物から、公共施設や商業施設などの広い範囲の建物、そして橋梁などの土木建築物にいたるまで幅広く模型をつくることができます。

・構造、外観、内装、ジオラマ(景観、地形など)

建物の構造だけではなく、外観や内装も建築模型づくりの対象に入ります。また、建物の周辺環境や景観まで立体的に表現するジオラマづくりまで範囲に入ることもあります。

スタディ模型

図面の検証や検討のために作られる模型のことです。設計事務所内で簡単に作られることもありますし、込み入った建物になるとプロに頼むこともあります。

・建築設計事務所などが製作中の図面の検証をする

設計の途中段階で建築物の形状を検討するための模型なので、一般に目にすることはあまりありません。問題点がないか確認するためのものでもあります。

・外観バランスや建物の収まりなどを確認

建築模型を見ることで建物のボリュームを確認できて、外観とのバランスや建物の収まり具合をチェックできます。

・白模型(色なし)で簡易に作成

形状の変更など変更する場合も多いので、加工しやすい材料を使って簡易に作られます。

展示用模型(完成模型)

・構造から塗装まで実際の建物に限りなく近いイメージで精細に製作

建物が完成した状態の模型をいいます。マンションのモデルルームの入り口や博物館や美術館の前、公共施設の1階のロビーなどに展示してあることが多いです。構造から塗装まで、実際の建物に限りなく近いイメージで精細に製作されています。完成しているので耐久性のためにアクリルで製作したり、ラッカー塗装が施されている場合もあります。

建築模型の用途と種類

建築模型を用途別にみていきましょう。

全体の土地利用計画に用いられる模型

・敷地模型

配置模型ともいわれ、敷地の利用をどういうふうに配置するかを検討するために作る模型です。1/500~1/200の縮尺で作られることが多いです。

・都市模型

都市部の公園や道路、鉄道などと建築物との空間をどのようにするか、空間の使われ方をみるための模型です。1/1000~1/500の縮尺で作られます。

建物のかたち(ボリューム)の計画に用いられる模型

建物のイメージの検討のために作られる模型です。個人の住宅から店舗、ビル、マンションまでさまざまな種類があります。

・ボリューム模型

建物がどのくらいのボリュームになるかをイメージするための模型です。

・コンセプト模型

建物を建てるための目的や考えや概念などを伝えるための模型です。

・全体模型

建物と庭や駐車場など周辺の環境とのバランスをみるための模型です。

建物の使い方、見え方の計画に用いられる模型

建物をいろいろな角度からみえるようにした模型です。

・平面模型・断面模型

平面模型は建物を平面方向に切断して内部を見せるようにした模型のことです。断面模型は横や縦に切断した時の内部を表現したものです。

・外装模型

建物の外装、つまり外観や屋根の形、外装の材質までわかるようにした模型のことです。

・内観(間取り)模型

部屋の広さや間取り、家具や窓といった内観がわかりやすく確認できるための模型。建築士が依頼主に建物の構造を説明するために使われます。1/100~1/20の縮尺で作られます。

・外構模型

建物の外構部分、生垣や庭、車庫、門扉などがわかるように表現した模型です。

設計内容説明に使われる模型

・インテリア模型

室内の内部や部屋のインテリアにこだわってみせる模型。家具などや壁や床は実際の素材を使って表現することもあります。

・部分詳細模型

室内空間のわかりにくい部分を詳細に表現して、家具やインテリアなどのディテールを1/20縮尺ぐらいで模型にしたもの。素材に至るまでチェックされることもあります。

・モックアップ(実物大模型)

モックアップとは、実物に限りなく似せて作られた模型のことです。マンションの展示用に使われたりすることが多いです。

土地の形状をあらわす模型

土木模型とか地形模型といわれます。地面の高低差をあらわすコンタ模型もあります。コンタとは等高線のことです。板状やシート状のものを等高線のように切断して表現した模型です。

特殊な模型

特殊な模型としては「思い出模型」というのもあります。大切な思い出を形にしたいという依頼主の要望に応じて作る模型です。忘れられない思い出がある人は依頼したらいかがでしょうか。

まとめ建築模型の種類ってあるの?

作る目的別、用途別に徹底解説!

一言で建築模型といっても、依頼主の要望に応じて、あるいは建築の目的に応じてさまざまな種類があることがわかりました。建築模型士は、どんな依頼にも応じて、いろいろな模型をこしらえなくてはいけませんね。

図面を正確に読むことから始まって、依頼主の要望に沿った模型を何度もチェックしながら、ようやく完成します。

こうしてできあがった模型は、達成感が半端ないほど喜びが大きいものです。依頼主が喜んでくれたら、達成感はマックスになります。

建築模型士は、やりがいのある仕事のひとつに違いありません。

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