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建築模型士とは、用途やニーズに合わせて様々な建築模型を作る仕事です。

これだけ聞くと建築についての専門知識を持った一部の人にしかできない仕事のように聞こえますが、実は手先が器用な方ならどなたでも取り組むことができる仕事です。そうは言っても、建築模型なんて言葉だけ聞いてもパッとイメージが湧かない方が多いかと思います。

そこで今回は、そもそも建築模型とは何か、というところから、それを製作する建築模型士とはどんな仕事なのか、までをご紹介します。

建築模型とは?

まず、建築模型はどんな物で、なんのために製作される物なのかについてご説明していきます。

主な用途は計画段階の建築物について説明・検討すること

建築を行う際、設計担当者は必ず図面を作成しますが、図面はあくまで平面上のものです。設計担当者含め、周りの人はどんなできあがりになるのかイメージしづらく、まして素人に図面の解読は困難です。

また、実際に建築物を製作してからでは修正ができません。そこで建築模型の出番です。建築模型を先に作ることで建築物のイメージを説明しやすくなり、多くの人が共有できることに加え、計画段階での微修正が可能になります。

大きさを1/50、1/100などに縮尺する

建築模型の大きさは、その時の用途に合わせて様々な大きさで作られます。比較的大きい1/50スケールから、自宅でも製作できる位の1/100スケールまで需要があるので、専門の製作場所を持っていなくても取り組むことができます。

簡易なものから精密で広範囲なものまでさまざま

図面に対して忠実であることは基本ですが、用途に合わせて、建物だけ簡単に作ればOKの場合もあれば、ジオラマのように建物周りまで合わせて精巧に作ることが求められる場合もあります。

建築模型士の仕事内容

建築模型と一口に言っても求められる大きさ、精巧さはまちまちです。
次は、建築模型士がそれをどう作り分けることで仕事をしているのかご紹介していきます。

建築模型には目的に応じた種類がある

建築模型を作り分ける理由は使用する用途、目的が異なるためです。ここでは、代表的な3つの建築模型の種類とその目的についてご紹介します。

・プレゼンテーション模型

まずは、建築模型を顧客に説明するために用いる場合をご紹介します。

<住宅や施設の建て主への説明、イメージをつかんでもらう>

自分の家を建てようとしている人を始め、建築物をオーダーする人の多くは建築の専門家ではありません。そのため、図面だけを用いて素晴らしいプレゼンをしてもイメージを共有することは困難です。そこで、建築模型を製作し、それを用いてプレゼンすることで、オーナーになる人にどんな建築物を作ろうとしているのか、を具体的にイメージしてもらうことが可能になります。

<図面に基づいていること、美しさが求められる>

プレゼンテーション模型は上記の通り、オーナーになる人にイメージを共有することを目的としています。そのため、図面通りかつ、美しいことが必須です。図面と異なり縮尺が間違っていれば、異なるイメージを伝えることになってしまいます。また、オーナーになってくれる人はお客様なので、ずれていたり、傾いていたりすれば悪印象に繋がり、契約を見送られる可能性もあります。

スタディ模型

次は、建築模型を作り手側での検討に用いる場合をご説明します。

・建設・設計事務所などが製作中の図面の検証をする

建築のプロでも、全員が平面の図面を見て完全に一致した建築物の完成形イメージを共有することは困難です。そこで、建築模型を製作し実際に確認することでイメージを共有できるだけでなく、よりよい図面に改訂する必要はないか検討することが可能になります。

・外観バランスや建物の収まりなどを確認

上記の通り、作り手側での図面検証が目的ですが、中でも特に確認したいのは、「外観がおかしくないか」「建設時にやりにくい部分が生じていないか」という点です。図面上素晴らしい建築物でも実際に建設作業をする際に狭すぎて扱えない部分があったりしては問題です。

・要求されるのは美しさよりもスピード

プレゼンテーション模型のように顧客に提示するものではなく、自分たちで検討するための模型なので綺麗に作ることはあまり重要ではありません。また、図面に修正すべき点があるか早期に確認することが大事なので、重要なのは製作スピードということになります。

展示用模型(完成模型)

最後に、建築模型を博物館などでの展示に用いる場合を解説していきます。

・構造から塗装まで実際の建物に限りなく近いイメージで精細に製作

多くは実際の建築物のミニチュア版として展示され、どの用途よりも大勢の人の目に長期に渡って触れます。建築物周辺まで含めて大きく製作することで、実際に見た人に実物をイメージしてもらいやすくなります。

・精度と美しさが求められる

上記の通り、大勢の人の目に触れるため、綺麗であることは勿論、実物のミニチュア版として展示されるので実物に対して、精巧であることも重要です。

建築模型士の働き方

ここからは、建築模型士の仕事はどのような形で従事することができるかご紹介します。

企業に勤務

建築関連の企業に就職し、建築模型製作に従事する方も多くいます。具体的には以下のような就職先になります。

・設計事務所

建築物の設計、図面製作を専門とする会社です。設計のみを売りにしているため、デザイン力の高い会社が多いです。設計事務所に就職し、建築模型製作の仕事に携わることができれば、プレゼンテーション模型を中心に、スタディ模型なども製作することができます。

・建設事務所

建築物の設計、図面製作から実際の建設までを一貫して行う会社です。地元の工務店などの多くもここに含まれます。規模は大手ハウスメーカーに劣りますが、その分定型の規格は少なく、相談次第では自由度の高い建築物を作れることが特徴です。建設事務所に就職し、建築模型製作の仕事に携わることができれば、スタディ模型を中心に、プレゼンテーション模型なども製作することができます。

・ハウジングメーカー

建築材料の仕入、設計、建設まで建築に関わる広範な業務を一貫して行う会社です。特徴は、その規模の大きさを活かしての工期短縮や地震などに対する最新技術の導入です。ハウジングメーカーに就職して建築模型士の仕事に携わることができれば、規模を活かし大きな建築模型を製作することができます。

・建築模型会社

模型の製作を業務の中心に据えた会社です。そのため、ここに就職することができれば、確実に建築模型製作に携わることができます。他の会社ではあまり作る機会の多くない、大きな展示用模型などを作る機会もあります。

フリーランス

建築模型が小さめのサイズであればどこでも作ることが可能です。そのため、会社に勤務せず在宅で仕事を行っている方もいます。

・在宅での副業

ある程度の大きさであれば家での製作が可能なので、手先の器用な方なら副業として在宅で建築模型を作ることも可能です。興味のある方は建築模型士関連の資格を取るための通信講座もあるので、そちらから始めてみることがおすすめです。建築模型士は資格が絶対に必要な職業ではないですが、どんなことをするのかイメージしやすくなります。

まとめ建築模型を作るってどういうこと?

建築模型士の仕事についてご紹介

建築模型と言っても様々な種類があり、それを作る建築模型士として働く方法も企業勤めから在宅でのフリーランスまで幅が広いです。

そのため、手先の器用さは必要ですがどんな人でも建築模型士を目指すことができます。

興味が湧いてきた方は、是非建築模型士を目指してみませんか。

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