カリグラフィーとは、古代ヨーロッパ発祥の、文字を美しく見せるための手法です。
ギリシャ語で、「美しい書きもの」という意味をあらわします。
筆記にペンまたはそれに類する道具を用いているため、毛筆を使用する書道とは趣が異なり、専門的な技法として美術やアートに近い表現が可能とされています。
美しい筆記具と色彩あふれる文字は、見る人の心を躍らせます。
パソコンで好きなフォントが選べる現代においても、華やかに彩られた筆記アートとして、手書きのカリグラフィーは独自の人気を誇っています。
文字を美しく見せることができるカリグラフィーを使えば、手書き文字を装飾してさまざまな演出をすることができます。
ここからは、カリグラフィーの技法を使って、どのようなことができるかをご紹介します。
招待状や席次表など、ウェディングに関連したペーパーアイテムにはカリグラフィーの華やかさが向いています。
海外の結婚式ではカリグラフィーで書かれた招待状が多く使われており、近年日本でも使用する方が増えてきました。
ウェルカムボードやメニュー表なども、タイトル部分にカリグラフィーを使用すると、優美な文字のラインで華やかな印象を与えます。
インパクトもあり、イラストや写真と組み合わせることでオリジナリティーも出て、あなただけの特別なウェディングアイテムを製作することができます。
カリグラフィーが最も活用される場面が、グリーティングカードのデザインです。
バースデーカードやクリスマスカード、ハロウィンやバレンタインなどのイベントで贈るカードを、自分の手でお洒落に作れるようになれば、これまで以上にイベントを楽しむことができるでしょう。
また、プレゼントを贈るときなどに、ちょっとした手書きのメッセージや名前をカリグラフィーで華やかにデザインすれば、非日常感を演出できます。
美しいカリグラフィーで書かれたネームカードは、大切なゲストを招待する際に特別感を与えることができるアイテムです。
自宅で友人と過ごすホームパーティーでも、企業が開催するレセプションパーティーでも、カリグラフィーのネームカードが活躍します。
印刷されたものではない、手書きで丁寧に準備されたネームカードは、ゲストの方に喜んでもらいたいという歓迎の気持ちが伝わるものとなるでしょう。
カリグラフィーの美しい線とイラストや絵柄を組み合わせて、作品全体を独自の雰囲気にデザインすることで、アーティストとして活動している方もおられます。
海外の童謡や詩をカリグラフィーで書いたものを部屋に飾ったり、偉人の言葉を刻んだアイテムを制作したり、カリグラフィーを使ってアート作品を生み出すこともできます。
文章の内容やテーマに沿って雰囲気の合う書体を選び、数書体を組み合わることで、ほかの人とは違うオリジナルの作品が制作できます。
レストランやカフェ、フラワーショップやジュエリー店、雑貨やフレグランスを扱うお店などは、カリグラフィーを使ったロゴが映えます。
ショップ名と簡単なイラストを組み合わせて、既存のフォントにはないオリジナルのロゴを作ることもできます。
アイデア次第で、ひと目見たら忘れない、印象的でお洒落なロゴを作ることができるでしょう。
友人や子供たちの集まる場面で、ペーパーアイテムを華やかに仕上げることができるため、大変喜ばれます。
プレゼントのラッピングをお洒落に飾ったり、メッセージカードや手紙をカリグラフィーで華やかに仕上げたり、ホームパーティーで紙コップに名前を書いたり、さまざまなシーンで活躍できます。
自宅でも、カリグラフィーを活用する場面はたくさんあります。
調味料のラベルや手作りの保存食のラベルを統一すればお洒落な印象になり、容器のままテーブルに置いておくこともできます。
カリグラフィーの華やかな色と文字は目を引くので、商品の広告にも向いています。
販売職であれば、商品のPOPやポスター制作にカリグラフィーを活用できるでしょう。
また、職場内での掲示物や配布物のタイトルにカリグラフィーを用いれば、職員に注目してもらうこともできます。
対外的なイベントの際にも、カリグラフィーでペーパーアイテムを工夫することで、参加者の満足度にも貢献できます。
カリグラフィーを趣味にしたい、学んでみたいという人はたくさんいます。
資格を取得すれば、自宅やカルチャースクールでカリグラフィーの講師として活躍することも可能です。
カリグラフィーに関連する団体によっては、講師を養成するための講座を開催しているところもあります。
講師資格を取得後は、その団体で会員に対する講義を開いたり、個人事業主として活躍したりすることもできるでしょう。
日本デザインプランナー協会(JDP)が運営する資格です。
カリグラフィーの歴史や必要な道具、練習方法や上達のコツ、カリグラフィーに関する専門用語やアート作品などの知識を有していることが証明されます。
資格取得後は、カリグラフィーデザイナーとして活躍でき、自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができます。
イタリック体/ゴシック体/アンシャル体/ローマ大文字体/ブックハンド小文字体/フラクチャー体/カッパープレート体/ラスティック体の特徴や書き方、カリグラフィーに関する専門用語などの知識が問われます。
受験資格 | 特になし |
---|---|
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格実績 | 70%以上 |
試験日程 | 年6回 偶数月の20〜25日の期間 |
申込期間 | 試験日の前月1〜31日に受付 |
合否発表 | 試験日の翌々月の10日 |
参考:日本デザインプランナー協会 |
試験日程の期間中に在宅で受験し、その解答用紙を月末までに送ります。
正答率が基準に達していれば、合格です。
専用の通信講座であれば、最短2ヶ月の学習で資格取得を目指せます。
日本インストラクター技術協会(JIA)が運営する資格です。
飾り文字インストラクターの資格を取得することで、カリグラフィーのフォントや書き方に関して知識を有していることが証明されます。
資格取得後は、飾り文字インストラクターとして活躍でき、自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができます。
カリグラフィーとは/カリグラフィーの始まり/日本文化とカリグラフィー/カリグラフィーの進化/カリグラフィーの歴史/カリグラフィーに必要な道具/カリグラフィーの練習方法/カリグラフィーの上達テクニックなどの知識が問われます。
カリグラフィーのフォントでは、イタリック体/ゴシック体/アンシャル体/ローマ大文字体/ブックハンド小文字体/フラクチャー体/カッパープレート体/ラスティック体の特徴や書き方の知識が問われます。
受験資格 | 特になし |
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受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申込 |
受験方法 | 在宅受験 |
合格実績 | 70%以上 |
試験日程 | 年6回 偶数月の20〜25日の期間 |
申込期間 | 試験日の前月1〜31日に受付 |
合否発表 | 試験日の翌々月の10日 |
参考:日本インストラクター技術協会 |
試験日程の期間中に在宅で受験し、その解答用紙を月末までに送ります。
正答率が基準に達していれば、合格です。
専用の通信講座であれば、最短2ヶ月の学習で資格取得を目指せます。
日本カリグラフィースクール(JCS)が運営する資格です。
日本でのカリグラフィー普及の草分け的存在のスクールで、国内のカリグラフィー教室としては、講座数・講師数・生徒数ともトップレベルです。
はじめてカリグラフィーを習う方から、講師を目指す方まで、幅広いニーズに対応できる多くの講座を運営しています。
テストで問われる12書体は、以下の通りです。
レベルはA、B+、B、B−、C+、C、C−、D、Eで評価され、評価によってE(1点)〜A(10点)の点数を付与されます。
テスト結果によって以下の4種類の資格を取得できます。
カリグラフィーアドバイザー | 70点 | 自宅などで勉強会を主催できる資格 |
---|---|---|
マスターコース受講資格 | 80点 | マスターコース受講が可能となる資格 |
ホームティーチャー | 90点 | スクール認定講師ではないが、受講生に教えることのできる資格 |
スクール認定講師 | 100点 | マスターコース修了者に与えられるスクールの正式な講師資格 |
受験料 | 1書体につき2,500円(税別) |
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受検場所 | 在宅受験、日本カリグラフィースクール(東京) |
資格の取得方法 | 評価Bまでは添削テストの自宅受検で取得できる 添削テストの提出期限は、添削テスト用紙到着より3ヶ月 自宅受検で評価Bを受けた方がAの評価を希望する場合は、スクールでの実地試験が必要 |
参考:日本カリグラフィースクール |
初心者は、イタリック体から学べるレギュラーコースの受講から始めるのがおすすめです。
曜日・時間帯を決めてスクールに通い、担当講師のもとでじっくり学びながら、資格取得を目指すことができます。
日本モダンカリグラフィー協会(JMCA)が運営する資格です。
モダンカリグラフィーとは、伝統的なカリグラフィーの道具を用いて文字を個性豊かに、より自由に表現したものとして2000年以降から広がったスタイルです。
現在はブラッシュペンやApple Pencilも利用し、紙だけではなくアクリルや自然素材、iPadなどのデジタルまで多種多様に表現の幅を広げています。
JMCAがモダンカリグラフィーの確かなスキルと信頼を証明するために認定している資格は、次の2種類です。
JUNIOR SCRITIER (ジュニアスクリティエ) |
Advancedコースを修了した方 |
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SCRITIER (スクリティエ) |
Advancedコースを修了し、認定試験に合格した方 |
スクリティエになると、協会認定講師としてレッスンスペースや教材のサポートが受けられ、講座やイベントを開催することができます。
また協会から仕事の紹介を受けることもでき、レッスンの開講や筆耕サービス、商品販売なども可能です。
まずは半年間のBasicコースから受講し、コース修了者はAdvancedコースへの進級が可能になります。
Basicコースのカリキュラム内容は、以下の通りです。
料金 | Basic+Advancedコース:21万円(税別) スクリティエ試験対策講座:8,000円(税別) スクリティエ試験:2万円(税別) スクリティエ認定費:5万円(税別) |
---|---|
受験会場 | 東京会場、もしくはオンライン |
参考:日本モダンカリグラフィー協会 |
ヨーロピアン・カリグラファー協会が運営する資格です。
ヨーロピアン・カリグラファーの小堀奈穂氏が文字の特性を独自の手法で教授するもので、既定の講座を受講して基本の文字が習得できれば資格が取得できます。
学習のステップ | 講座回数 | 習得字体 |
---|---|---|
3級クラス | 12回 | イタリック体 |
2級クラス | 20回 | カッパープレート体 |
基本マスタークラス | 20回 | ゴシック体 |
基本マスターコースを修了後、希望者はカリグラファー資格の認定を受けられます。
学習のステップ | 受講資格 | 料金 |
---|---|---|
3級クラス | 特になし | 受講料:3万6,000円 テキスト・材料費・認定料:5,000円 |
2級クラス | 3級クラス修了者 | 受講料:6万円 テキスト・材料費・認定料:4,500円 |
基本マスタークラス | 2級クラス修了者 | 受講料:6万円 テキスト・材料費・認定料:3,500円 |
参考:ヨーロピアン・カリグラファー協会 |
カリグラフィーの習得には、講師が実際に書く姿を目の前で見られるスクール通学がおすすめです。
線を引く際の筆圧や線の太さ、手の動かし方などを直接見ながら学べるうえに、いつでも講師と相談でき、講師のお手本を見てアドバイスを受けることができるため、上達につながりやすいでしょう。
ただしスクール開催地は東京が多く、地方在住の方にとっては通学が難しいため、注意が必要です。
またスクール開催日に合わせてスケジュール調整が必要であることや、募集生徒数が限られているため学びたいときにいつでも受講できるわけではありません。
東京などの都市部に住んでいて、時間に余裕がある場合は、スクールへの通学を検討しましょう。
カリグラフィーに関する書籍や配信動画などを用いて独学する方法です。
一番手軽な方法で、学びたいときにすぐ始められますが、初心者の場合は学習の手順が分からないなどのデメリットもあります。
簡単な基本文字だけを身につけたい場合は独学でも可能ですが、もし本格的にカリグラフィーを身につけたい、もっと上達したいという方は、独学だけでは難しいでしょう。
住んでいる地域に影響されず、学びたいときにすぐに取り掛かれるおすすめの学習方法は、通信講座の受講です。
「カリグラフィーデザイナー」の資格と「飾り文字インストラクター」の資格は、通信講座で学びながら同時に取得することができます。
「SARAスクールジャパン」「諒設計アーキテクトラーニング」の通信講座なら2資格を同時に学べ、初心者の方でも1日30分、最短2カ月の学習で資格取得が可能です。
さらに「プラチナコース」「スペシャル講座」なら、講座修了と添削課題をすべてクリアすれば、認定試験免除で2資格を取得することができます。
すぐにでも資格を取得したい方、確実に資格を取得したい方におすすめです。
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