専属という名前の通りに、ひとりの人物のコーディネートを手掛けます。服装だけではなく靴や鞄、小物なども合わせて使い分ける必要があります。また髪型やメイクなどを手掛けるヘアメイクアーティストと連携を取り、髪型やメイクなどとバランスの取れたコーディネートを選択する必要もあります。服装や小物の使い分けでその人自身のイメージも変わってくるので、流行やイメージを大切にしつつ、その人自身の魅力を最大限に引き出せるようなコーディネートが必要です。
雑誌やテレビなどの大きな発信源になる場面で活躍することもあります。芸能人やモデルが活躍している雑誌やテレビでは、流行にのることだけが重要ではなく、雑誌の特集やコンセプト、テレビ番組の内容や雰囲気、ドラマの場面などによっても服装や小物を上手に使い分ける必要があります。
例えば、結婚式に参列しているドラマの場面での服装を考える際に、流行を取り入れると現在はドレススタイルよりパンツスタイルの参列者も増えています。また色味は、その人自身のイメージを活かせるように可愛い系であればピンクやパステルカラー、大人っぽい系であれば黒やシックな色などとその人のイメージや雰囲気を掴みやすいような色味を選択することが大切です。
このようにひとりだけではなく、周りの人の服装もコーディネートすることで、場面や雰囲気を作り出したり、主役を引き立てるような工夫をすることもできます。
芸能人やモデルが着ていた服や小物がすごく売れたという話を聞くこともあるくらいに、雑誌やテレビの影響力はとても大きいです。世間の目に止まることで、今後仕事が増えたりと影響することもあるでしょう。
両方の仕事にも言えますが、服や小物などのコーディネートだけではなく、事前の打ち合わせや服の取り寄せ・レンタルをします。予算内に留めることを考慮し、サイズの微調整やアイロン掛けなども行う必要があります。完成したら確認をして周りにも満足してもらうことは欠かせません。満足してもらえない場合は何度かやり直しが必要なこともあります。そして後片付けや返却も行っていきます。
専属のスタイリストだからと言って、ひとりに付き添うだけではなく、様々な働く形態があります。専属であることに固着せず、段階を踏んでいくことも大切になります。
事務所が仕事を受け、割り振られて仕事をこなします。もちろん様々な仕事形態がありますし、初めての場所・環境であることも多いです。新人や経験不足の人にとっては、先輩スタイリストと組みアシスタントとして多くのことを学び経験することができます。まずは事務所に所属して経験と実績を積み、安定した収入を得ることが大切でしょう。
独立し個人企業しているスタイリストの1番多い仕事形態です。事務所に所属するスタイリストと異なる点は、営業をし自ら仕事を得て、スケジュールや金銭的な管理も行う必要があります。
もちろん初めは大変ですが、慣れてくることで時間や経済的にも余裕が生まれますし、認められることで仕事が増えていきます。慣れや認められるまでは時間を要する可能性が高いので、いきなりフリーランスになるのではなく、まずは事務所に所属し経験や実績を積み、自信がついてから独立することが望ましいでしょう。
あまり聞き慣れないかもしれませんが、芸能人やモデルではなく、一般の人にスタイリストが付く仕事形態です。日本ではあまり浸透していませんが、欧米では普通にある仕事形態です。場面や状況に応じて適した服装や小物を提案してくれたり、その人自身の好みを聞いてアドバイスをくれることもあります。買い物に同行して選んでくれることもあるのです。現在人気があり、今後増えていく仕事形態であると考えられます。
どの仕事にも言えることは、昼夜の時間や休日、国外などに関係なく飛び回る忙しい仕事です。芸能人やモデル、一般の人など対象となる人がいるからこそ成り立つ仕事であり、自分の生活や時間は後回しでその人のスケジュールが全てです。服装や小物などその人が気に入る必要があるため難しい点も多いでしょうが、自分自身に合った仕事形態を探してみてください。
まずは服飾の専門学校で学ぶことが良いでしょう。専門学校で専門知識を学び、経験を積み、吸収できるだけではなく、教員がスタイリストと繋がりがあることで人脈が広がる可能性もあります。スタイリストと関わることができる近道ではないでしょうか。
専門学校卒業後は、大きく分けて3つの候補があります。1つめは、アパレルメーカーに就職することです。専門知識を再認識でき、ファッションセンスやコーディネート術も磨かれます。また接客業なのでコミュニケーション能力も向上します。
2つめは、スタイリスト事務所に就職することです。様々な現場に行き、様々な仕事を経験できるため、スタイリストとしてのあり方や立ち振る舞い、仕事内容などもどんどん吸収できるでしょう。安定した収入も得られるため、独立するまでの財源確保ができます。
3つめは、プロのスタイリストのアシスタントになることです。百聞は一見にしかずというように、実際に見て学ぶことで多くのことを知ることができます。プロのスタイリストと行動することで、周りにも名前が知れ渡るかもしれません。また経験は大きな武器になりますし、プロのスタイリストから認められることで自信がつき、独立への一歩を踏み出すこともできるでしょう。
絶対に必要な資格は特にありませんが、とっておいたほうが有利な資格はいくつかあります。例えば、その人の髪や肌の色など容姿から似合う色を提案する「パーソナルカラー検定」、色の適切な組み合わせを考える「カラーコーディネーター検定」、ファッションのビジネスである生産・企画・戦略などの知識を身に着ける「ファッションビジネス能力検定」、イメージ通りの洋服を提案するため自分で洋服を作成する「パタンナー」などの資格があると有利かもしれません。働きつつ資格を取得するのも良いでしょう。
資格だけではなく、ファッションセンスも問われます。人がいるからこそ成り立つ仕事であり、人と関わることが多いためコミュニケーション能力も高める必要があります。